トラックのクラッチのつなぎ方は乗用車とはちょっと違います。今回は、トラックのクラッチをうまくつなぐコツをお伝えいたします。4つのポイントを抑えれば、スムーズな走行で燃費もよくなるでしょう。
ポイント1.必ずしも1速から発進しなくてもOK!
教習所では「車は1速から動かします」と習います。しかし、トラックを運転するときは、別に気にする必要はありません。その理由は、普通車と車重が違うこと、ギア比が違うことが挙げられます。(例えば、街を走っている路線バスの運転手を見ていると、1速はまず使っていません。乗客を乗せているので加速をスムーズにするため、2速発進しています)
特にトラックの1速のギアは、本当に低速しか出ません。勾配がきつい登坂や、重量がかなり重いものを乗せていて、2速発進ができないときに使うようなものです。
ポイント2.クラッチ調整をする
クラッチをうまくつなぐには、運転者の技術以前にトラック自体のクラッチを調整しておく必要があります。クラッチ調整をするメリットは、ギアのつなぎがスムーズになるところです。トラックの多くはディーゼル車でパワーがあるので、クラッチペダルをパッと離しても意外と簡単につながってしまいます。
しかし、定期的にクラッチ調整をしておくことによって、ペダルの遊びが適切になってガタガタ発車することを避けられるでしょう。燃費の節約と、クラッチ板を長持ちさせるメリットもあるのです。
ポイント3.シフトアップは丁寧に
ポイント2でも少し触れたのですが、トラックの場合は、アクセルをあまり踏まなくてもパワーがあるのでトラックは発進することができます。いったんクラッチがつながったら、次はいったんアクセルを開けて回転数を上げるのがポイントです。乗用車やスポーツカーの場合、結構早くシフトアップしてもシフトショックはありませんが、トラックの場合はガクガクしてしまいます。
それで、回転数を上げた後にシフトチェンジして、ゆっくりクラッチをつなぐようにしてみてください。トラックのエンジンの回転数は普通車よりも下がりにくいので、ゆっくり丁寧にシフトチェンジしても大丈夫。焦らずにシフトチェンジすることがコツです。
ポイント4.エンジンブレーキのシフトダウンはしない
トラックのシフトチェンジで、加速時のことはよくわかったと思うのですが、もう一つ覚えていただきたいのが、シフトダウンです。よく乗用車ではスピードダウン目的のエンジンブレーキを使うと思いますが、大きめのトラックでは急激なシフトダウンをしてエンジンブレーキを使わないようにしてください。シフトダウン時にうまくクラッチをつなげるのは至難の業です。
しかし、多くのディーゼルトラックには、アクセルを離しただけで自動的にブレーキが効くリターダーという補助ブレーキ機能もついているので、そちらに頼ったほうが効果的です。
クラッチを上手に使ってトラックを長持ちさせましょう
トラックのクラッチはうまくつなげたほうが車の燃費的にもよく、クラッチ板などを長持ちさせるにも効果的。トラックは乗用車に比べクラッチの使い方が難しいといわれますが、今回ご紹介した4つのポイントを意識してみましょう。
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