ラッシングベルトの信頼はベルトとラチェットの品質によって決まります。そこにはトラック輸送の安全を願うメーカー各社のポリシーと技術が反映されています。確かな技術を持つ3つのメーカーをご紹介しましょう。
オールセーフラッシングベルト
オールセーフラッシングベルトのメーカーは、オールセーフ株式会社 （旧アンクラジャパン株式会社）で、本社は横浜市にあります。
どんな会社？
1989年に米国アンクラ社の日本法人としてスタート。物流機器の設計から製造までを行う安全輸送機器のトップメーカーです。ジャパンオリジナルのラインアップも豊富です。「物流における安全の確保は『固定すること』から」とのカンパニーポリシーどおり、カーゴコントロール、貨物固定、荷崩れ防止などでトラック輸送の保全と合理化をサポートしています。
宇宙でも活躍
ワールドワイドに活動するオールセーフ社の製品は、トラックの分野だけにとどまらず、航空、さらには宇宙にまで広がっています。
近年では、あのJAXAの「こうのとり」でも、ISS（国際宇宙ステーション）への補給物資をキャリア内で固定するために同社のバックル付きネットが採用されていました。
ラッシングベルトの特徴
ラッシングベルトはオールセーフ社の原点として位置付けられていていることからも分かるとおり、同社の主力商品です。グリーンのベルトには「allsafe」のロゴとともに製造年月がプリントされ、タグには耐荷重が明記されているなど、安全確保のポリシーがきちんと反映されています。
また、ラッシングベルトの種類も実に多岐にわたっています。トラック用においてはバックルや端末金具のバリエーションが豊富なことに加え、カゴ車輸送やバイク固定といった用途にも専用のラッシングベルトがラインアップされています。
エバープラウドラッシングベルト
エバープラウドラッシングベルトのメーカーは株式会社エバープラウドで、本社は名古屋市にあります。
どんな会社？
ラッシングベルトをはじめ、ゴムチューブやワイヤーロープなど荷締め用品や梱包資材を扱う会社です。1997年創業の20年にも満たない歴史ですが、ラッシングベルトの品質にはこだわりがあります。ベルト部分は独ドレイツ社製を使用。同社は実に70年以上にわたってスリングベルトの製造販売を手掛けており、伸びのない織り加工など、いくつもの先端技術を持っています。
ラッシングベルトの特徴
エバープラウド社のラッシングベルトは「DRAGON-TIGER（ドラゴンタイガー）」「POWER ELEPHANT（パワーエレファント）」「G’NKO（ガンコ）」と、販路別に3つのラインアップで展開されています。
なかでも同社の看板シリーズである「DRAGON-TIGER」は、赤いベルトカラーに「D. TIGER BELT」の印字でトラックドライバーにおなじみです。種類も、標準タイプ以外に自販機用、事務機用、ドラム缶吊下げ用、引っ越し用と、トラックの搬送内容に応じたバリエーションで用意されています。
日東ラッシングベルト
日東ラッシングベルトのメーカーは日東物産株式会社で、本社は大阪市にあります。
どんな会社？
1984年に三信製織株式会社の子会社として設立されました。荷吊り用ベルトや物流機器の製造販売を手掛け、NITTOHの表記でおなじみです。親会社の三信製織社は80年以上にわたる製織業の老舗ですが、1950年代からは国内で初めてデイパックの販売、製造を手がけるなど先進性もあります。この技術が子会社のNITTOHにも受け継がれているのですね。官庁向けに各種テープやベルト類を納品しているということでも同社の技術力の高さが分かります。
ラッシングベルトの特徴
日東物産のラッシングベルトは基本に忠実に作られています。奇をてらわないオーソドックスなデザインは、トラック用ラッシングベルトの見本のようなものです。角当てパッドは2か所、ナローフックとレールフックのタイプが用意されています。
高品質のラッシングベルトでも消耗します
貨物堂ではこのほかにも多くのメーカーのラッシングベルトをご用意しています。いずれも各社それぞれのノウハウを盛り込んだクオリティのものばかりです。とはいえ、どんなラッシングベルトでもいずれは消耗します。輸送中はラッシングベルトに相当な負荷がかりるもの。セーフティラインが現れたら「まだ使える」などと考えず、思い切って交換しましょう。それが荷物の安全、ひいてはトラックの安全を守ることにほかなりません。
